研究課題
平成27年度にはタンパク質DNMT1を用いて、1塩基レベルで安定に5-ヒドロキシメチル化シトシン(5hmC)を検出する方法の開発を行った。DNMT1は比較的安定して存在することができる。このDNMT1を用いる方法は再現性よく5hmCを検出することはできたものの、酵素活性がロットにより異なるため、使用前に必ず5hmC、5mC(5-メチル化シトシン)および非修飾シトシンを含む合成オリゴを用いた酵素の品質チェックが必須であった。そのためより簡便な方法を開発する目的で、平成28年度はDNMT1ではなく、化学的手法(酸化剤・AZADOL/BAIB)による5hmCの検出を試みた。この酸化剤による方法は合成オリゴを用いた実験では再現性がよく、簡便な操作で実験が可能であった。また、ES細胞を用いて5hmCの検出を行ったところ、先行研究で5hmCが存在すると考えられた場所で確かに5hmCが存在することが確認できた。さらに、AZADOL/BAIBによる酸化は非常にマイルドな酸化条件であるため、DNA分解も少なく、少量サンプルからの5hmC検出にも利用できる可能性が示唆された。
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