NF-kB活性化経路において、様々な脱ユビキチン化酵素(DUB)が関与する。本研究ではDUBの一つであるCYLDの果たす役割を解明する目的で、CYLDの活性に特異的な低分子阻害剤の開発を目指した。 コムギ無細胞タンパク質合成系とAlphaScreenを組み合わせたハイスループットなユビキチン鎖切断アッセイを基盤に、9,600種類の低分子化合物から、阻害活性が強く、かつ細胞毒性が低い化合物を一種類見出した。この化合物は、培養細胞においてNF-kBシグナルを有意に阻害したが、CYLDノックアウト細胞では阻害が認められなかった。以上から、本研究においてCYLDを阻害する低分子化合物の同定に成功した。
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