過去十年ほどの熱帯林伐採で、どの程度系統的多様性が失われ、どのような系統的群集構造の変化が生じたのかをカンボジア5地域に設置されたプロットを用いて解析した。先行研究のカンポントム州のデータに合わせ、ココン州、シムリアップ州、ラタナキリ州、クラティエ州の1998年から2010年にかけて4回行われた毎木調査データを集積し、整理が終わったココン州について解析を行った。系統的多様性は、1本の伐採により2300万年分減少し、先行研究と一致した。一方、系統的群集構造は伐採による有意な変化は見られず、先行研究と異なった。今後、他の地域での解析を加え、地域ごとの違い、また普遍性について議論する。
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