本研究ではCyclin D1遺伝子の転写制御に関わる非コードRNA (lncRNA)のTranslocated in liposarcomaタンパク質 (TLS)結合領域について、その二次構造をNMR法により決定した。さらに、TLSのRGG3ドメインがlncRNAの一本鎖領域に結合することを明らかにした。 一方で、テロメア長制御に関わるTLSとテロメアDNAおよびTERRAの結合に関して、結合に関与する残基をNMR法によって同定した。これにより、RGG3ドメインのTyr残基とPhe残基が状況に応じて結合対象を切り替えることで、効率的な複合体形成がもたらされるというモデルを提案した。
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