X線自由電子レーザー(XFEL)施設SACLAを利用して、亜硝酸イオン(NO2-)から一酸化窒素(NO)への一電子還元反応を触媒するタンパク質、銅含有亜硝酸還元酵素(CuNiR)の完全酸化型の立体構造を、銅原子の異常散乱効果を用いて世界で初めて決定し、CuNiRのプロトン共役電子移動の反応機構を解明することに成功した。これまで、金属タンパク質の真の酸化型構造を知ることは、長い間、不可能とされてきたが、本研究では、SACLAの実験技術の改良を進め、さらに、SACLAと大型放射光施設SPring-8の技術を融合することで、新しい酵素反応機構を明らかにした。
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