本研究では新規の損傷乗越えDNA合成(TLS)因子であるTFII-Iに着目し、PCNAやPol zetaと形成する高次複合体の立体構造と相互作用をX線結晶構造解析により明らかにし、創薬の構造基盤を得ることを目的とした。具体的には、(1) TFII-IのN末端ドメイン、(2) PCNAや (3) Pol zetaとの複合体の調製、結晶化、X線回折実験を行った。(1) は低分解能であるため、構造解析に成功していない。(2) (3) はそれぞれ2.3-3.8、4.4オングストローム分解能のデータを得ることができたため、分子置換法により構造解析を行ったが、TFII-Iの電子密度は確認出来なかった。
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