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2016 年度 実績報告書

ヘリコバクター・ピロリ菌CagAの投げ縄構造による機能調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K18495
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

鈴木 喜大  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究員 (40712659)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードピロリ菌 / CagA / 天然変性領域
研究実績の概要

ピロリ菌由来のCagAは胃がんをはじめとする胃粘膜関連疾病の原因因子で、ヒトの胃粘膜細胞内の様々な標的分子に結合して標的分子の機能を脱制御する。CagA分子はN末端側の構造領域とC末端側の天然変性領域から構成される。これまでの研究から、天然変性領域は構造領域と分子内相互作用を介した投げ縄様の構造をとることでCagAの機能が調節されることが示唆された。そこで本研究では投げ縄構造形成を起点とした機能調節機構の分子メカニズムを明らかにするため、投げ縄の部分構造を取得し、投げ縄の機能解析と構造解析を行った。
特に本年度ではCagAの投げ縄構造の部分構造を取得して、投げ縄の溶液構造をNMRやX線小角散乱などの手法を組み合わせて、投げ縄部分が特定の構造を取らない天然変性状態にあることを確認し、もともと天然変性領域にある分子内相互作用部位が投げ縄構造形成時に構造変化を起こしてヘリックス構造をとることを明らかにした。また取得した投げ縄構造、及びそのチロシンリン酸化体を取得し、プルダウンアッセイによる標的タンパク質との相互作用解析を行った。その結果、SHP2やPAR1bなどとの相互作用を確認し、CagA-SHP2-PAR1bの三者複合体の形成も確認した。
また、天然変性領域内にあるEPIYA配列と標的分子であるSHP2の溶液構造解析をX線小角散乱法で解析し、溶液構造モデルの構築を行った。その結果、SHP2の活性部位を覆っているSH2ドメインがEPIYA配列とSH2ドメインの相互作用により活性部位から乖離した構造が得られ、CagAによるSHP2活性の異常な亢進のメカニズムの一端を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ピロリ菌CagA EPIYAセグメントと複合体を形成したSHP2のSAXS解析2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木 喜大, 林 剛瑠, 千田 美紀, 長瀬 里沙, 畠山 昌則, 千田 俊哉
    • 学会等名
      2016年度量子ビームサイエンスフェスタ
    • 発表場所
      エポカルつくば(茨城県・つくば市)
    • 年月日
      2017-03-14 – 2017-03-15
  • [学会発表] ピロリ菌CagA EPIYA領域と複合体を形成したSHP2の溶液構造解析2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木 喜大, 林 剛瑠, 千田 美紀, 長瀬 里沙, 畠山 昌則, 千田 俊哉
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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