小胞体関連分解(ER-associated degradation: ERAD)は、小胞体内腔に生じた構造異常タンパク質を分解除去することで、細胞の恒常性維持に寄与する。本研究では、小胞体ストレスで発動するDerlin-3に注目して、その機能の重要性を探る解析を実施した。低酸素ストレスに晒すと、Derlin-3欠損マウス、およびDerlin-3と複合体を形成するHerp欠損マウスが脆弱性を示すこと、さらに、両マウスに心機能異常があることを発見した。その原因の一端として、Herpが心臓において細胞内シグナル伝達を制御するIP3レセプターの量を調節している事実を突き止めた。
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