蛋白質のドメイン運動は蛋白質が有する固有の機能に深く関与していると知られていたが、精度良くその運動を探知し更に解析する手法が確立していなかった。そこで、申請者は中性子スピンエコー法 (NSE) とMDシミュレーションを組み合わせたMD-NSE法により蛋白質のドメイン運動の記述を試みた。NSE測定から得られた拡散定数のQ依存性 (D(Q))をMD シミュレーションのtrajectoryから計算されたD(Q)と比較すると回転拡散のみならず、ドメイン運動に由来する運動の組み合わせで記述できた。更に、ドメイン運動を詳細に解析すると主にドメインの開閉に対応した運動であることが分かった。
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