電位依存性イオンチャネルは複数のサブユニットが協働してはたらくが、そのメカニズムに関しては不明な点が多い。そこで2量体を形成する電位依存性プロトンチャネルを用いて、その活性化における構造変化を解析することで協働性の実体を明らかにすることを目指した。細胞外側に2種類の環境応答性の蛍光物質を付加し、膜電位存在下で計測を行ったところ、FRETが観測され、かつそのFRET効率が経時的に変化することから活性化時に2段階の構造変化が起きていることが判明した。この構造変化はサブユニット同士が近づくことを示唆していることから、このような動きがイオンチャネルの協働性を担っているものであると考えている。
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