本研究では、研究代表者らが高度好熱菌から初めて発見した、光受容体タンパク質・サーモフィリックロドプシン(TRと略)について、(1)TRの高い熱安定性を生み出す構造的要因を明らかにすること、(2)熱以外のさまざまな物理的・化学的刺激に対する構造安定性を調べることを目的として研究を行った。 目的(1)について、可視吸収分光法、X線結晶構造解析法、分子動力学計算法を併用し、TRの構造は分子内部で形成される疎水性相互作用によって高く安定化されていることを明らかにした。目的(2)について、種々の化学物質による構造安定性への影響を網羅的に評価し、熱安定性との相関を明らかにした。
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