海洋性細菌から発見されたプロテオロドプシン(PR)は光駆動H+ポンプである。本研究では、PRの構造解析を目指した。当初の計画通り、大腸菌無細胞合成系からの精製・LCP法結晶化により、①490 nmと530 nmの光を吸収する2種類のPRの構造、②SACLAでの放射線損傷のない構造、③PRの光吸収に関するアミノ酸変異体の構造を得た。特に光吸収に関するアミノ酸と水分子が、レチナールの構造変化を引き起こすことを、構造から明らかとした。 また当所計画に加え、SACLAにおけるBRの中間体構造解析に参加し、PRの類縁体である光駆動型Cl-輸送ロドプシンの構造解析にも、世界に先駆けて報告した。
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