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2017 年度 実績報告書

受精カルシウム波の伝播を担う新規チャネルの同定とカルシウム波の生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K18547
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

高山 順  国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (20574114)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード受精カルシウム波
研究実績の概要

昨年度までに線虫における受精カルシウム波のパターンに影響を及ぼす遺伝子を同定するためのRNAiスクリーンを行った。RNAiスクリーンの結果複数の遺伝子が同定されたが、本年度はgtl-1遺伝子の機能解析を行った。gtl-1遺伝子はTRPMチャネルをコードすることが知られている。gtl-1をRNAiにより機能阻害したgtl-1(RNAi)個体では、受精前の卵におけるカルシウム蛍光強度が顕著に上昇し、またカルシウム波にもパターンの異常が見られた。このカルシウム波の異常は受精前のカルシウム濃度昂進に起因すると考えた。そこで、受精前のカルシウム蛍光強度の上昇という未踏の表現型の解析に着手した。
同様の表現型をRNAiスクリーンの結果から探索し、SERCAポンプをコードするsca-1遺伝子を機能阻害したsca-1(RNAi)個体においても、受精前のカルシウム蛍光強度の顕著な上昇とその後のカルシウム波パターンの異常が見られることを見出した。TRPMチャネルはカルシウム透過性であると同時にマグネシウム透過性であることも知られている。さらにSERCAポンプのポンプ機能はマグネシウム依存的である。これらを合わせて、gtl-1(RNAi)個体における卵細胞のカルシウム蛍光強度の異常昂進は、TRPMチャネルの機能低下による卵細胞内マグネシウム濃度の低下が原因であると仮説した。そこで線虫の飼育培地に、通常の1mMよりも高い10~40 mMのマグネシウムを添加したところ、はたしてカルシウム蛍光の異常昂進が見られなくなることがわかった。これらの結果は細胞内のマグネシウム濃度とカルシウム濃度のホメオスタシスに深い関係があることを示唆するものであった。
また、本年度は、本研究の一環として行った受精カルシウム波の観察実験手法プロトコルを論文としてまとめ、Bio-protocol誌に発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] In vivo Live Imaging of Calcium Waves and Other Cellular Processes during Fertilization in Caenorhabditis elegans2017

    • 著者名/発表者名
      Jun Takayama, Masashi Fujita, Shuichi Onami
    • 雑誌名

      Bio-protocol

      巻: 7 ページ: e2205

    • DOI

      10.21769/BioProtoc.2205

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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