本研究は、これまで不明であったNtCDPK1の自己リン酸化の生理的な役割を明らかにした。まず、NtCDPK1の自己リン酸化部位を同定した。続いて、NtCDPK1の自己リン酸化により基質RSGとの結合能が低下するだけでなく、自己リン酸化によりRSGに対するリン酸化が抑制されることを明らかにした。また、RSGとは逆にミエリン塩基性タンパク質はNtCDPK1の自己リン酸化によりリン酸化されやすくなることが示された。これらの結果から、自己リン酸化によりRSGが一過的にリン酸化される機構や自己リン酸化により基質の選択性が変化する機構の存在が示唆された。
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