経験依存的な嗜好の変化は人間から昆虫まで共通してみられる行動の可塑的変化であるが、その分子・細胞機構については依然として不明な点が多い。本研究はショウジョウバエの匂い連合学習をモデルに、経験依存的な匂い嗜好の変化に神経伝達物質のドーパミン、及び、ドーパミン神経がどの様に関わるか検証した。実験では、電気化学的手法を用いて、生体内のドーパミン放出を直接検出すると共に、カルシウムイメージング法を用いて神経活動を計測した。その結果、脳部位特異的なドーパミン放出様式の違いを検出し、これが経験依存的な匂い嗜好の変化に必要であることを明らかにした。
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