研究課題
トランスポゾン制御機構を明らかにするため、トランスポゾンのサイレンシングが解除された変異体及びストレス感受後のトランスポゾン活性化に対する変異体を単離した。今年度は、トランスポゾン抑制に関わる2つの変異体の解析を進めた。(1)トランスポゾンの転写抑制が解除されるkumonosu(kun)の解析維管束及び茎頂組織特異的なサイレンシングの解除が見られるkun変異体について、ゲノムワイドRNAシーケンスを行い、ターゲット遺伝子及びトランスポゾン等を同定した。一方、ゲノムワイドバイサルファイトシーケンスを行い、DNAメチル化状態についてのデータ解析を進めている。ヒストンメチル化抗体による免疫組織染色及びクロマチンIPにより、kun変異体におけるヒストン修飾についても解析を行っている。(2)トランスポゾン抑制に関わるE5変異体トランスポゾンサイレンシングが解除された変異体E5について、詳細なマッピングと変異の探索を進めた所、既知の遺伝子上に変異が見つかった。該当遺伝子のT-DNA変異体とのアレルテストを行い、変異の原因が確かに今回同定した遺伝子であることを確かめた。
2: おおむね順調に進展している
平成27年度に計画した内容については、おおむね計画通り進んでいる。
(1)トランスポゾンの転写抑制が解除されるkumonosu(kun)の解析上記の研究実績の概要には局在解析の内容が含まれないが、これについては既にマーカー植物の準備を進めており、今後解析を行う予定である。また、現在進めているバイサルファイト解析のデータ処理及びヒストン修飾の解析についても引き続き進める。(2)トランスポゾン抑制に関わるE5変異体既知の原因遺伝子が同定されたので、解析をストップする予定である。(3)その他の変異体についても解析を順次進める。
共同研究により実施しているRNAシーケンスの消耗品等は次年度に請求される予定であるため。
RNAシーケンス消耗品やシーケンスのデータ処理のソフト等の購入、人件費等に計画的に使用予定である。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
J. Applied Phycology
巻: 未定 ページ: 未定
10.1007/s10811-015-0759-2
Proc. Natl. Acad. Sci. USA.
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10.1073/pnas.1600672113
PLOS ONE
巻: オンライン雑誌のためなし ページ: オンライン雑誌のためなし
10.1371/journal.pone.0145242