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2015 年度 実施状況報告書

自家交配は進化のデッドエンドか:接合藻類ヒメミカヅキモを用いた集団ゲノミクス

研究課題

研究課題/領域番号 15K18583
研究機関千葉大学

研究代表者

土松 隆志  千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60740107)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード集団ゲノミクス / 自殖 / 生殖システム / 有性生殖
研究実績の概要

自家交配(自殖)は極めて普遍的な生殖様式だが,長期的には集団の絶滅リスクを上昇させる進化のデッドエンドであると考えられてきた.接合藻類ヒメミカヅキモでは,他殖系統と自殖系統の進化的移行が並行的に起きたことが知られている.本研究では,ヒメミカヅキモにおいて自殖の進化がゲノム多型のパターンに与える影響を明らかにすることを目的に,多数の野生系統のリシークエンスを行い,ゲノム多型情報を得る.このデータをもとに,様々な集団遺伝学的指標を用いて自殖系統で普遍的にみられるゲノム進化のパターンを解析することを目指している.平成27年度は,共同研究者と協力して野生8系統(4自殖系統,4他殖系統)についてDNA抽出を行い,Beijing Genome Institute (BGI)に委託してIllumina HiSeq 4000によるリシークエンスを行った(ペアエンド,150bp).その結果,各系統について12GB程度のデータを得た.現在,共同研究者が作成したリファレンスゲノムへのマッピングを進めている.これに加えて,東京農業大学生物資源ゲノム解析センターの協力を得て,さらに10野生系統について同様のリシークエンスを行うことになった.現在これらの系統についてDNAサンプルの準備を進めており,平成28年度上半期にはデータが得られる予定である.すでにある8系統のリシークエンスデータと合わせて,より大規模なゲノム多型解析が可能になる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調だが,平成28年1月より研究代表者が千葉大学へ異動したことに伴う研究室のセットアップのため,解析等やや遅れている部分もある.

今後の研究の推進方策

現在10系統分のリシークエンスの準備を行っているところであり,すでにある8系統と合わせてデータ生成の目処は立った.今後本格的に集団遺伝学的な解析を遂行し,成果を国内外の学会等で発表していく予定である.

次年度使用額が生じた理由

シークエンス費用に関する予算を計上していたが,他の助成プログラム等から支援を受けられたこともあり,結果として余剰分が生じた.また,研究代表者が千葉大学へ異動したことで研究室のセットアップに時間を費やし,結果国内外の学会への参加数が減った.これにより旅費の使用分が少なくなった.

次年度使用額の使用計画

現在ゲノムリシークエンスを計画しているヒメミカヅキモ野生系統の培養・実験のための培養設備及び実験用物品を購入する計画である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Evolution of Selfing: Recurrent Patterns in Molecular Adaptation2015

    • 著者名/発表者名
      Kentaro K. Shimizu & Takashi Tsuchimatsu
    • 雑誌名

      Annual Review of Ecology, Evolution, and Systematics

      巻: 45 ページ: 493-622

    • DOI

      10.1146/annurev-ecolsys-112414-054249

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [備考] Plant Evolutionary Genomics, Chiba University

    • URL

      https://tsuchimatsu.wordpress.com/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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