シロアリ腸内には、原生生物、原核生物が共生しており、さらにその原生生物の細胞外、細胞質、核内にまで原核生物が共生するといった多重共生系が存在する。本研究では、Trichonympha agilisの核内に共生する2種のVerrucomicrobia門細菌のゲノム解析を行った。ゲノム解析の結果、T. agilis核内共生細菌は、多くの代謝産物を自ら合成することが出来ず、宿主にそれらを依存しているのではないかと考えられた。またIII型分泌装置の一部を持ち、宿主との共生に関与しているのではないかと考えられた。核内共生細菌のゲノム解析により宿主との共生関係の一端を明らかとした。
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