本研究は、動物プランクトン群集のエネルギー代謝機能の律速要因の解明を目指した。そこで、北は北海道から南は台湾周辺海域に至る様々な海域において動物プランクトン群集のエネルギー代謝速度、海洋物理環境、そしてバイオマスと体サイズスペクトルを明らかにした。エネルギー代謝速度は昼間より夜間の方が有意に高く、昼間の平均の値と比べて約4倍であった。一方、昼間でも夜間でもエネルギー代謝速度は水温・塩分といった物理環境に影響を受けていることも明らかとなった。また、バイオマスはエネルギー代謝速度に直接的な影響を及ぼしており、バイオマスで標準化したエネルギー代謝速度は体サイズが律速要因の1つであることが示唆された。
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