およそ80万個のゲノム規模SNPデータの解析を、特徴的な表現型を持つネグリト人を含んだいくつかの東南アジア人集団についておこなった。ネグリト間では共有しているが、他の集団とは分化している遺伝子のなかには、身長、顔面形態、マラリア対抗性に関連しているものがあった。旧人からの遺伝子移入が、フィリピン諸島のネグリトには相対的に高い頻度で見いだされた。またネグリト人を含むマレーシアの7人類集団において、免疫に関連したHLA遺伝子群の塩基配列を決定した。その結果、これら遺伝子の歴史性およびこの地域におけるさまざまな病原体に対する反応に関連するかもしれないHLA対立遺伝子頻度の差を見いだした。
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