• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

高温登熟による胴割れ米発生に対する分子育種的解決策の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K18628
研究機関宇都宮大学

研究代表者

大西 孝幸  宇都宮大学, 地域連携教育研究センター, 特任准教授 (60722311)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードイネ / オルガネラゲノム / 胴割れ米
研究実績の概要

地球温暖化による夏季の異常高温が,胴割れ米を誘発し,コメの品質低下を引き起こしている.胴割れ米の発生低減にむけた対策の多くは,栽培方法や籾米の保存方法の見直しといった応急的な処置であり,より効果の高い根治的解決策が切望されている.これまでの研究から,申請者は胴割れ米の発生にオルガネラゲノムが関与し,オルガネラゲノムの置換によって胴割れ米の発生が抑制できることを明らかにした.これまでに,イネのオルガネラ(葉緑体,ミトコンドリア)をそれぞれ精製し,それらから抽出したオルガネラゲノムに対して次世代シーケンサーを用いて解析することで,従来よりも高精度にイネのオルガネラゲノムを解読することに成功した.また,1年間に6世代のイネ栽培を可能にしたバイオトロン栽培法を用いて作出した細胞質置換系統について,それらの遺伝子発現プロファイルを明らかにする目的で,細胞質置換系統の止め葉より RNA を抽出し,マイクロアレイ解析を行い,オルガネラゲノム置換によって生じた遺伝子の発現変動を明らかにした.遺伝子発現に変動がみられた遺伝子群の中に光合成関連遺伝子が多く含まれていたため,細胞質置換系統の光合成能力を測定するとともに,葉緑体ゲノムにコードされている遺伝子の発現量に着目して,研究を進めている.これまでの結果から,光合成能力の向上が胴割れ米の発生抑制に寄与していることが推測されたが,どのように発生を抑制しているのかは依然として不明なため,さらなる研究を続けたい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究は順調に進展し,データが蓄積されている.ただし,データ内には猛暑や冷夏などといった年度ごとの圃場における環境変動の影響が含まれており,圃場で栽培したイネサンプルを可能な限り長期間継続的に調査するため,次年度分サンプルの解析費用を繰り越し.より信頼性の高い研究結果に結びつけたいと考えている.

今後の研究の推進方策

1年間に6世代のイネ栽培を可能にしたバイオトロン栽培法を用いて作出した細胞質置換系統について,遺伝子発現プロファイルを明らかにしたところ,光合成関連遺伝子の発現量に変動が認められ,細胞質置換系統の光合成能力にも違いが測定された.今後は,葉緑体ゲノムにコードされている遺伝子の発現量にも着目し,光合成能力を向上させている分子メカニズムの解明に取り組みたい.

次年度使用額が生じた理由

研究は順調に進展し,データが蓄積されているものの,データ内には猛暑や冷夏などといった年度ごとの圃場における環境変動の影響が含まれており,圃場で栽培したイネサンプルを可能な限り長期間継続的に調査するため,次年度分サンプルの解析費用を繰り越し.より信頼性の高い研究結果に結びつけたいと考えている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Optimized Method of Extracting Rice Chloroplast DNA for High-Quality Plastome Resequencing and de Novo Assembly2018

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Takamatsu, Marouane Baslam, Takuya Inomata, Kazusato Oikawa, Kimiko Itoh, Takayuki Ohnishi, Tetsu Kinoshita, Toshiaki Mitsui
    • 雑誌名

      frontiers in plant science

      巻: 9 ページ: 266

    • DOI

      10.3389/fpls.2018.00266

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi