イネ科植物の強度と難分解性には、イネ科植物特有の細胞壁成分であるフェルラ酸-アラビノキシランエステル(FA-AX)が寄与するとされている。本研究では、ソルガム節間におけるフェルラ酸エステルの蓄積とその合成に関与する遺伝子の同定を行うことを目的とした。初めに、ソルガムでの遺伝子機能解析を可能にするための遺伝子導入条件を検討し、未熟胚の前処理により組換え体の作成が可能となることを見出した。また、フェルラ酸エステルは細胞伸長停止後の二次細胞壁形成初期に多く蓄積することが示唆され、ソルガムの11の候補遺伝子のうち少なくとも6遺伝子がソルガム節間のFA-AX蓄積時期に発現していることを明らかにした。
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