研究課題/領域番号 |
15K18639
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
滝澤 理仁 京都大学, 農学研究科, 助教 (60627363)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 単為結果性 / トマト / オーキシン / ジベレリン |
研究実績の概要 |
本年度は、‘Micro-Tom’ב 京てまり’のF5集団を用いたファインマッピングと次世代シーケンサーによる‘京てまり’のリシークエンスにより第1染色体に座乗する‘京てまり’の単為結果性遺伝子の候補を1つに絞り込んだ。非単為結果性品種の発育段階の花芽、受粉後の子房、緑熟期および成熟期の果実で候補遺伝子の発現解析を行った結果、候補遺伝子の発現は開花1日前に最も高くなることが明らかとなった。また、‘京てまり’の子房では候補遺伝子の発現はほとんど検出されなかった。オーキシンおよびジベレリン関連遺伝子の発現解析により、‘京てまり’の子房では開花後、オーキシンおよびジベレリンの生合成遺伝子の発現が上昇することが明らかとなった。このことから‘京てまり’の単為結果果実の肥大にオーキシンやジベレリンが関与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
‘京てまり’の単為結果性遺伝子の候補を1つに絞り込み、発現解析により候補遺伝子の発現が開花1日前の子房で最も高くなることを明らかにした。また、‘京てまり’の開花後の子房におけるオーキシンおよびジベレリン関連遺伝子の発現解析により、オーキシンやジベレリンの生合成遺伝子の発現上昇が‘京てまり’の単為結果果実の肥大に関与する可能性を示した。本課題で予定している実験を次年度中に全て実施できる可能性が高いことからおおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度絞り込んだ候補遺伝子の形質転換体を作成し、その遺伝子が‘京てまり’の単為結果性の原因遺伝子であることを証明する。また、単離した遺伝子の機能を明らかにするため、開花前の子房を用いてin situ ハイブリダイゼーションや遺伝子の発現解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた実験の一部が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は単離した遺伝子の機能を明らかにするための解析で必要となる消耗品購入費に充当する。
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