高効率かつ簡便な遺伝子機能解析手法の確立はポストゲノム時代において重要な課題の一つである。本研究では,糸状菌型CRISPR/Cas9システムの開発と,ゲノム編集技術をベースとしたゲノムワイドな遺伝子機能解析手法の確立をおこなった。糸状菌型CRISPR/Cas9を用いることにより,高効率での遺伝子ターゲティング,多重遺伝子破壊,点変異導入およびレポーター遺伝子ノックイン法の確立に成功した。更に,ゲノムを切らずに書き換える新規ゲノム編集技術「Target-AID]の開発に成功した。本技術はイネいもち病菌だけでなく麹菌においても有用であり,様々な糸状菌ゲノム編集ツールとして利用可能である。
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