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2017 年度 実績報告書

しらが病菌によるアワの穂の葉化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K18650
研究機関公益財団法人岩手生物工学研究センター

研究代表者

小林 光智衣  公益財団法人岩手生物工学研究センター, ゲノム育種研究部, 研究員 (10751539)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード感染生理 / エフェクター / べと病菌 / アワ
研究実績の概要

アワしらが病菌は、卵菌類の一種(Sclerospora graminicola (Sack.) Schroet.)によって引き起こされるアワの重要病害である。しらが病菌に感染したアワは生育不良となり、穂では特徴的な葉化病徴が誘発される。この表現型の変化には病原菌が生産する因子(エフェクター)の関与が考えられるが、詳細はほとんど研究されていない。本研究では、しらが病菌の全ゲノム解読およびトランスクリプトーム解析を行い、しらが病菌の病原性エフェクターを同定・解析することにより、葉化病徴の発病機構の解明を最終目標とする。
平成29年度は、病原性機能解析のために作出したエフェクター過剰発現イネから培養細胞を誘導し、基礎的抵抗反応に対する影響を評価した。その結果、キチン処理に応答して誘導される活性酸素生成は抑制する一方、同時期に誘導されるMAPK活性には影響しない因子が見つかった。
しらが病菌を感染させたアワ葉からアポプラスト溶液を調整し、感染現場で分泌されているタンパク質を質量分析で解析したところ、7種のJacalin様レクチンドメインをもつタンパク質(JRL)が同定された。JRLはしらが病菌のゲノム解析から、他の卵菌類と比較して特徴的に多くコードされていた遺伝子である。これらをベンサミアーナ葉に一過的に発現させ、植物の抵抗反応に対する影響を調べたところ、flg22処理に対する活性酸素生成を抑制し、ベンサミアーナに感染する卵菌類であるPhytophthoraの感染を亢進した。以上より、JRLは感染現場であるアポプラストに分泌されて抵抗反応を抑制することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Genome analysis of the foxtail millet pathogen Sclerospora graminicola reveals the complex effector repertoire of graminicolous downy mildews2017

    • 著者名/発表者名
      Michie Kobayashi, Yukie Hiraka, Akira Abe, Hiroki Yaegashi, Satoshi Natsume, Hideko Kikuchi, Hiroki Takagi, Hiromasa Saitoh, Joe Win, Sophien Kamoun, Ryohei Terauchi
    • 雑誌名

      BMC Genomics

      巻: 18 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s12864-017-4296-z

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] アワしらが病菌新規エフェクター候補の解析2018

    • 著者名/発表者名
      小林光智衣・平賀幸江・阿部陽・八重樫弘樹・夏目俊・菊池秀子・寺内良平
    • 学会等名
      第58回日本植物生理学会年会

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公開日: 2018-12-17  

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