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2016 年度 実績報告書

全ゲノム手法から見えてきた新規殺菌剤作用点「タンパク質プレニル化機構」の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K18655
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

泉津 弘佑  滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (20579263)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ / トルニファニド / RHO型GTPase
研究実績の概要

昨年度までの結果により、トルニファニドはゲラニルゲラニルトランスフェラーゼGGT1の機能欠損を引き起こしているのではないかと仮説を立てた。そこで、トウモロコシごま葉枯病菌のゲノム配列のなかから、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼによってプレニル化修飾を受けると予測される遺伝子を探索した。その結果、6種類のRHO型GTPase(RHO1、RHO2、RHO3、RHO4、CDC42、RAC1)を含む10個の候補遺伝子を見出した。今年度はこのうちRHO1遺伝子に着目し実験を行った。まず、eGFP-RHO1融合遺伝子を発現する菌株を作出し、蛍光顕微鏡で観察を行った。その結果、RHO1は主にセプタム(隔壁)に局在することが示唆された。次に、トルニファニド処理条件でRHO1の局在を観察したところ、このRHO1のセプタムへの局在はほとんど観察されなかった。このことから、トルニファニド処理によってRHO1の局在が影響を受けていることが明らかとなった。また、この結果に加えて、トルニファニド処理によってセプタム形成そのものも強く阻害されていることが明らかとなった。以上の結果から、トルニファニドはゲラニルゲラニルトランスフェラーゼの機能不全を引き起こすことで、RHO1のような下流因子の局在および機能に影響を与えているのではないかと示唆された。多くの糸状菌においてRHO1遺伝子は生存に必須の機能を果たしており、その機能不全は致死性であることが知られている。トルニファニドは、これら10種の下流因子の機能不全を引き起こしていることが考えられる。これらを実証するために、さらなる検証が必要と考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 全ゲノム解析による抗真菌性化合物 Tolnifanide 耐性遺伝子の同定2016

    • 著者名/発表者名
      重吉沙衣,入江俊一,鈴木一実,宮川 恒,田中千尋,泉津弘佑
    • 学会等名
      第16回糸除菌分子生物学コンファレンス
    • 発表場所
      宇治市
    • 年月日
      2016-11-17 – 2016-11-18
  • [学会発表] 抗真菌性化合物 Tolnifanide の選択毒性には GGTase-I の Cys221 が関与する2016

    • 著者名/発表者名
      松原佳耶,吉田裕史,泉津弘佑,宮川 恒,田中千尋
    • 学会等名
      第16回糸除菌分子生物学コンファレンス
    • 発表場所
      宇治市
    • 年月日
      2016-11-17 – 2016-11-18

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公開日: 2018-01-16  

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