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2015 年度 実施状況報告書

高感度・高分解能イメージング法によるイネ植物体中における微量元素動態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K18657
研究機関東京大学

研究代表者

廣瀬 農  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90708372)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードミクロオートラジオグラフィ / 植物新鮮凍結切片
研究実績の概要

本研究の当初予定では、供試植物であるイネの根から重金属の放射性トレーサー(Cd-109、Zn-65、Pb-210、Hg-203等)を投与し、種子に至るまでの移行の様子をラジオルミノグラフィ、ミクロオートラジオグラフィ等の可視化手法を用いて観察する計画であった。しかし予備実験の結果では当初想定よりも根にトラップされるトレーサーの比率が高く、根から植物体全体(特に種子)にミクロオートラジオグラフィで必要とされる量のトレーサーを移行させるには、予算内で入手可能なトレーサーの量では不足することが明らかとなった。
このため27年度は、解析のターゲットとなる種子に極力近い位置、具体的には止め葉節直下の維管束から、毛管現象を用いて放射性トレーサーを効率良く投与する技術を検討・確立することに注力した。これにより、微量のトレーサーを効率良く特定の穂に送り、観察対象となる数十粒の種子に集中させることが可能となった。
また、本研究で必要とされる凍結切片の作製技術、およびミクロオートラジオグラフィの手技についても改良を行なった。凍結切片の作成においては、凍結包埋時における試料の位置を微調整するための手法を考案した。また、ミクロオートラジオグラフィにおいては、感光体となる写真乳剤膜の面均一性およびロット間の均一性を向上させるため、写真乳剤膜作成用の補助具を考案・作成した。
研究全体としての進捗は当初予定よりも遅れているが、27年度中に確立した技術により、再現性の高いデータをより効率良く得るための準備が整った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

放射性トレーサーの植物への効率の良い投与法の検討、凍結切片作製法の改良等、技術的課題の解決に予想以上の時間を取られたこと、および教務等の他の業務に当初想定した以上のエフォートを割かねばならなかった事情により、植物試料の調製・解析において予定よりも進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

技術的課題はほぼ解決したため、今後は実際の植物試料の育成・解析に注力する。植物育成・放射性トレーサーの投与に必要な人工気象器を当初予定よりも1台多く確保することで、植物試料の調製頻度を向上し、これによって進捗の遅れに対処する。

次年度使用額が生じた理由

進捗の遅れにより、初年度に購入する予定であった放射性トレーサー試薬および試料調製に必要な消耗品を購入しなかったため。

次年度使用額の使用計画

主として放射性トレーサー試薬(Pb-210、Hg-203、Cd-109、Zn-65等)の購入に当てる。

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公開日: 2017-01-06  

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