本研究では,イネの優れたマンガン恒常性の維持に関わる重要な分子機構を明らかにした。Mn-CDFファミリーに属する細胞膜型トランスポーターMTP9は根の内皮と外皮において,向心側の細胞膜に局在し,マンガンを中心柱へと移行する高効率な吸収システムの一旦を担っていた。また,液胞膜型のMTP8.2は地上部と根の両方で,マンガンを液胞に隔離することにより,優れたマンガン耐性に寄与することがわかった。さらにMTP11は幼植物期から生殖生長期に渡り,様々な組織でマンガンのトランスゴルジへの輸送に関わり,高濃度でマンガンが存在する水田における正常な登熟に貢献することを明らかにした。
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