本研究では,医薬品原料として有用なtrans-3-ヒドロキシプロリンの合成法の開発を目指した。ゲノム情報を利用した酵素探索の結果,放線菌Streptomyces cattleya由来エクトイン水酸化酵素においてプロリンを水酸化し,trans-3-ヒドロキシプロリンを合成する活性を見出した。また,当該酵素発現大腸菌を触媒に用いることで効率的なtrans-3-ヒドロキシプロリンの合成を可能とした。一方,アルギニンを出発物質とし,アルギニン水酸化酵素,アルギナーゼ,オルニチンシクロデアミナーゼを作用させることで,trans-3-ヒドロキシプロリンの選択的な合成プロセスの開発に成功した。
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