マクロラクタム抗生物質ビセニスタチン生合成において、アシル基転移酵素VinKはアシル運搬タンパク質間のジペプチド基質の受け渡し反応を触媒する。その際VinKはアシル運搬タンパク質をタンパク質間相互作用により認識していると考えられる。本研究では、独自に開発したクロスリンク法を用いることによりVinKとアシル運搬タンパク質の複合体の結晶構造を決定することに成功した。これにより、アシル基転移酵素によるアシル運搬タンパク質の認識機構が初めて原子レベルで明らかになった。また、部位特異的変異解析を行うことにより、ジペプチド基質の認識機構に関しても知見を得た。
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