本研究は、細胞のアミノ酸感知機構へのCa2+の役割およびその細胞応答を明らかにすることを目的としている。アミノ酸飢餓した細胞に、アミノ酸を投与することで細胞外からCa2+が流入し、細胞内のCa2+濃度が上昇する。この機構に関して、種々の阻害剤を用いた解析により、Amiloride感受性の因子を介してCa2+濃度が上昇することが分かった。また、流入したCa2+により細胞内アミノ酸応答経路の主要因子mTORC1がどのように調節をうけるかを解析した結果、mTORC1活性化因子として知られるRheb GTPaseの働きにCa2+が関わることが判明し、Ca2+による新規mTORC1制御機構が示唆された。
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