枝作り酵素(BE)は、グリコーゲンおよび澱粉の分岐鎖を形成する鍵酵素である。これまで、BEの活性部位クレフト(サブサイト)は未解明であった。本研究では、澱粉生産性シアノバクテリアCyanothece sp. ATCC 51142株由来BE1に着目して結晶構造解析を行い、サブサイトおよび酵素表面の糖鎖結合部位(SBS)を7ヶ所見出した。サブサイトおよびSBSを形成するアミノ酸残基に変異を導入した変異体解析を行い、これら残基の重要性を証明した。さらに、受容体基質は触媒ドメインに位置している2ヶ所のSBSに結合することを明らかにした。これらの知見に基づいて、詳細なBEの反応機構モデルを発表した。
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