本研究では、新しい細胞膜透過ペプチド:ポリヒスチジンを利用したリポソーム薬物輸送、経口薬物輸送、植物細胞への分子輸送、の開発基盤研究を遂行した。 その結果、長鎖ポリヒスチジン(H16)をリポソームに修飾することで、高い細胞膜透過能を有するリポソームの作出に成功した。また、長鎖ポリヒスチジン(H16)は、人工的に形成した腸管上皮細胞層を通過することも確認された。一方で、短鎖ポリヒスチジン(H6~H10)は植物細胞に対して高い細胞膜透過を示すことが明らかになった。本研究成果より、ポリヒスチジンは鎖長を変えることで様々な分野の薬物・分子輸送キャリアーとして応用できる可能性が示された。
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