研究課題/領域番号 |
15K18692
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
春成 円十朗 富山県立大学, 工学部, 助教 (00750449)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 芳香族ポリケタイド / 2型PKS / rubromycin / C5N / Streptomyces / 放線菌 |
研究実績の概要 |
計画した3課題についての研究成果の概要は以下のとおりである。
①C5N構造を生合成するための遺伝子セットを有する菌株をデータベースから特定し、様々なタイプの液体培地にて培養したが生産を確認することができなかった。また、MB-PO13株のC5N合成酵素を利用した非天然化合物の創出は添加する化合物の選定を行っている。 ②本課題は2015年に生合成のメカニズムが解明されたため中止した。 ③UV、MSおよびNMRスペクトルにより新規芳香族ポリケタイドであると考えられる6化合物を単離した。このうち2つはrubromycin類、1つはkinamycin類の新規化合物であったが、残る3化合物は4級炭素が非常に多く、溶解性が極めて悪いことから定法による構造解析が困難であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題①は目的とする化合物を得ることはできなかったが、生合成遺伝子を有する株の特定と生産確認まで完了している。課題③に関しては想定を上回る6化合物を単離することができ、そのうち3化合物が新規であったことなどから、27年度の進捗状況はおおむね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
課題①:生産株の休眠遺伝子を活性化することや、変異株を取得することでC5N化合物の生産を試みる。また、C5N構造の転移酵素が認識すると推定される化合物を培地中に添加することで非天然型のC5N化合物の生産を試みる。
課題③:はじめに平面構造が決まっている3つの新規化合物の立体を決定する。残る3化合物は構造解析が困難であるため、同位体標識や誘導体化による構造解析を行う。その他、変異株の取得や休眠遺伝子を活性化することによりマイナー成分の取得を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該額は全体の1.5%であり、額も小さいことから使用計画の誤差であるといえる。
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次年度使用額の使用計画 |
計画変更を要する額ではないと判断する。
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