今後の研究の推進方策 |
ミトコンドリア由来酸化ストレスによる食塩感受性高血圧ならびに腎障害に対する影響について検討する。Dahl食塩感受性高血圧(DahlS)ラットは高食塩飼料給餌によりナトリウム貯留が起こり、体液過剰による血圧上昇ならびに腎障害を発症するモデルセある。この機序には腎臓髄質領域における活性酸素種(ROS)産生が関与することが明らかとなっているが、ミトコンドリア由来ROSの影響については検討されていない。 DahlSラットへ高食塩飼料を給餌し、血圧上昇ならびに腎障害を誘導する。同時にROS消去薬であるTEMPOLならびにミトコンドリアROS消去薬であるmitoTEMPOを浸透圧ポンプにより持続投与する。飼育期間中に血圧測定、代謝ケージで回収した尿中腎障害マーカーならびにROSマーカー測定を行う。解剖時には腎組織を採取し、組織学的ならびに免疫組織学的に組織障害について評価する。また、皮質・髄質外層・髄質内層の部位別に線維化マーカー(-SMA, fibronectin)、尿細管障害マーカー(osteopontin, KIM-1)、炎症マーカー(TNF-, MCP-1)などのmRNA発現量を測定して評価する。また、NAD(P)H oxidaseやSODなどのROS産生・消去に関わる遺伝子発現等についても検討を行う。 MitoTEMPO、TEMPOLならびにコントロール群より得られた結果を比較検討することにより、食塩感受性高血圧ならびに腎障害に対するミトコンドリア由来ROSの影響について評価を行う。
|