研究課題/領域番号 |
15K18700
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
安田 伸 東海大学, 農学部, 准教授 (10512923)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 代謝物 / 抱合体 / 硫酸体 / 生理機能性 / フェノール性化合物 / ポリフェノール / 抗酸化 / 活性酸素 |
研究実績の概要 |
農学と医薬学の境界領域に位置する食品機能科学は、ポリフェノール等の食品由来生理活性因子が生体リズムの調節を担う低分子化学物質の本体であるとし、生活習慣病予防またはリスク低減を目指した研究分野として発展してきた。近年、食品や薬剤摂取後に体内で生じる代謝物(メタボライト)が直接要因となり体調調節機能を発現しうる可能性が提唱されつつある。本研究は主に硫酸化代謝物に着目し、フェノール性化合物の「メタボライト」の生理機能を検証することを最終目的とする。初年度には、マイクロプレートリーダーを用いた抗酸化活性の評価法の導入を試みた。当初計画していたうち1,1-diphenyl-2-picrylhydrazylラジカル消去活性試験、スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性試験、キサンチンオキシダーゼを介したスーパーオキシドアニオンラジカル産生抑制活性試験をはじめとする機能性評価法の確立を行なった。これらに加えて、2,2'-azinobis(3-ethylbenzothiazoline-6-sulfonic acid)カチオンラジカル消去活性試験、galvinoxylラジカル消去活性試験、chlorpromazineカチオンラジカル消去活性試験の導入を行い、これらの実施を可能とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は主に硫酸化代謝物に着目し、フェノール性化合物の「メタボライト」の生理機能を検証するものである。初年度には評価法の導入に注力したものの、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に引き続き、評価法の導入を継続して行う。抗炎症・抗アレルギー活性の指標には、ヒアルロニダーゼ阻害活性試験、リポキシゲナーゼ阻害活性試験を実施する。硫酸化酵素研究において良い基質として多用されるものに、ニトロフェノール、ニトロカテコールおよびナフトール等がある。硫酸化前後のモデル化合物としてこれらとその硫酸体を使用し、抗酸化作用に加えて抗炎症作用を中心に機能性の有無と差異を試験管レベルで明らかにしていく。現状ではフェノール性化合物の硫酸体は入手困難な場合が多いため、食品または薬剤由来の硫酸体合成法の検討を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度には実験機器の導入と実験条件の設定を主に行なったため、消耗品費として計上していた一部に次年度使用額が生じたものの、概ね予定通りの使用額であった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度には、研究費のうち消耗品費として実験材料消耗品にガラス、プラスチック器具、試薬類の購入を予定しており、成果発表のための経費を計上する。なお、1品若しくは1式の価格が50万円以上の物品の購入は現在予定していない。
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