温暖化にともない北海道北部で観察されている雪解け時期の早まりが、大型土壌動物であるミミズを介して、樹木の利用可能な土壌の無機態窒素の生成量へ及ぼす影響について評価した。春先に実施した積雪時期を操作する野外実験から、雪解けが早まると、硝酸態窒素の生成量は増加することが明らかになった。一方、雪解け時期の早まりによる土壌窒素への影響程度は、越冬したミミズの存在の有無およびミミズの個体サイズの違いに関わらず同程度であった。これらのことは、雪解けの早まりによる樹木の利用可能な土壌窒素への影響は、ミミズなどの大型土壌動物ではなく、土壌微生物など他の生物の活性が増加したことによるものであることが示唆された。
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