研究課題/領域番号 |
15K18709
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
斎藤 仁志 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (60637130)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 林内路網 / 作業道 / 林道 / 維持管理 |
研究実績の概要 |
昨年に引き続き、信州大学手良沢山演習林に開設された作業道の三次元計測を行い、経年変化から低規格路網の維持費を検討する基礎情報の構築を行った。法面等の土砂移動に関しての観測は可能となったが、路面の詳細な計測は落葉落枝等の、土砂移動以外の要因からも影響を受け、ノイズのフィルタリング手法について検討が必要であった。また、3次元計測の回数を増加させるため、簡易TLS計測システムを導入し、計測を開始した。 高規格路網の維持管理費推定のため、伊那市の林道台帳・線形データを利用し、建設費、災害修復費と地形の関係性を検討した。まず、建設費、災害普及費、維持管理費を集計するため、各路線の林道台帳情報を電子化した。次に、各路線の建設費・維持費は昭和26年以降の値を、建設工事費デフレーターで基準価値に計算した。この際、情報の欠落がなく現在価値換算が可能で、災害修復履歴がある、自動車道2級・3級の44の路線を解析対象とした。m・年あたりの修復費・建設費と因子の関係性を検討するため、DTMからの各種地形解析結果(傾斜、主曲率、横断曲率等)を各路線の30m・100mバッファ範囲で抽出した。傾斜と維持費に関しては正の相関がみられたものの、ばらつきも大きい結果となった。今後、施工単価や規格別に分析を行うなど、初期導入費用による影響を考慮して分析する方法を検討する必要があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作業道計測は順調に進んでおり、計測方法に関しても簡易システムを構築し、効率的な作業が行えている。行政とも連携し、林道の修復や管理履歴に関しての情報を収集し、維持管理費水系の基礎モデルを構築した。
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今後の研究の推進方策 |
概ね順当に進んでいるため、継続して行っている作業道計測結果から、低規格路網の維持費を検討する。高規格路網での推定モデルの精度を向上させるため、長野県内の他自治体より情報を収集し、解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
3次元計測を外部委託で計画していたが、自身で計測できるシステムが構築できたため、費用が抑えられた。
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次年度使用額の使用計画 |
計測回数と林道の現地調査を増加し、より精度の高い情報を得るための費用として、平成29年度請求額と合わせて使用する。
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