本研究の目的は、品質劣化に関わる特性を利用して葉油を高付加価値化し、未利用森林資源の新たな利用法を検討することである。そのために、(1)揮発特性および酸化特性を利用した葉油処理方法の検討、(2)処理葉油が示す生物活性の評価、(3)高反応性成分に着目した新たな針葉樹原料の探索の3点を中心に研究を行った。 その結果、利用上の問題点とされていた環境要因による成分変化の一端が明らかとなり、温和な加熱処理により抗菌性が向上すること、紫外線照射処理により一部のp-メンタジエン骨格成分が選択的に変化すること、トドマツ樹皮がβ-フェランドレン抽出原料として有用であること等を主要な成果として得た。
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