研究成果の概要 |
有明海に生息するアゲマキと,本種の捕食者と考えられるカニやゴカイ類等の消化管内容物とC, Nおよびアミノ酸(PheとGul)の安定同位体比を測定した結果,(1) アゲマキは泥中の珪藻等を主たる餌料とするが,泥中に含まれる腐食物もわずかに同化していること,(2)アゲマキは体長2cm以下の稚貝時に,主にカニ類に捕食されることが示唆された.また,資源量増大を目指し,本種の好適生息環境を把握するために,(1)(2)の結果,と有明海の底質,水環境等の空間分布動態を解析した結果,有明海でのアゲマキの好適環境と考えられる地域(面積)に対し,実際に本種が生息している地域(面積)が著しく小さいことが示唆された.
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