熱帯性マグロであるコシナガの日本海での分布域が広がることで、同種と形態が似たクロマグロ未成魚との混同水揚が増加することが懸念されている。本研究では、日本海におけるコシナガの漁場形成を把握するため、まず、アンケート・聞き取り調査を実施し、北陸以南でコシナガが主に水揚げされていることがわかった。下関市蓋井島の定置網の漁獲伝票では、漁期は5月から12月で、9月(25.3 ± 1.6 ℃)が漁獲量が最も多かった。生殖腺指数が最も高かったのは、雌は6月、雄は7月であり、7月に放卵、排精していることが組織観測からわかった。10月には冷水をさけ岸近くの水域を移動する可能性が電子標識のデータから示唆された。
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