最終年度は、これまでの3年間の研究成果をまとめて論文および学会報告という形で公表し、当該年度に新たに行ったヒアリング調査の成果を紀要に掲載した。当該年度の研究成果は、以下のとおりである。まず、フードツーリズム観光客を主成分分析を用いてセグメントに分類し、その特徴を分析した研究および、青森県黒石市で実施した外国人留学生を対象としたモニターツアー参加者へのアンケート調査から外国人観光客の地方中小都市の観光資源への評価を分析した研究が2本の論文として『開発学研究』に掲載となった(うち1本は近刊)。また、「地方都市への外国人観光客誘致の可能性とその課題 」というテーマで日本国際地域開発学会春季大会にて報告した。さらに、インバウンド先進地域である岐阜県高山市へのヒアリング調査から外国人観光客の受け入れ態勢のあり方について議論したものを千葉大学大学院園芸学研究科紀要の『食と緑の科学』に掲載した。以上の研究成果は、地方中小都市の観光戦略を考える上で、食文化など地域の食資源をいかに活用すべきかや、近年増加している外国人観光客の受け入れ態勢をどのように構築すべきかといった課題を検討する上で重要な示唆を与えてくれると考えられる。
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