研究課題/領域番号 |
15K18752
|
研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
白鳥 佐紀子 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 研究戦略室, 研究員 (60746486)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 栄養改善 / 食料安全保障 / 食料需給表 / 栄養素供給量 / 微量栄養素 |
研究実績の概要 |
栄養問題は最優先で取り組むべき地球規模の課題の1つであり、近年急速に注目度も高まっている。しかし、食糧増産の方針はあっても、具体的にどの作物の増産が人々の栄養改善に有効なのかは十分明らかにはされていない。本研究は、国家レベルでの栄養所要量(摂取すべき量)と栄養素供給量(摂取したと推定される量)を算定し、個々の栄養素の過不足および不足栄養素を供給する食料を同定するアプローチを開発することを目的とする。他国への応用や国際比較の可能な汎用性、人口構成の利用、微量栄養素を含む栄養バランスの考慮を特色とし、栄養改善や食料安全保障の観点から、食料政策への貢献と学術への貢献との両立を目指す研究である。 本年度は本研究の2年目にあたる。1年目は応募者の所属機関変更もあり少々進捗が遅れがちではあったが、2年目はデータ整理を行う研究助手を雇用したことも手伝い、順調な進展が見られた。マダガスカルを対象国と設定し、FAOの食料需給表の各カテゴリに含まれる品目や割合を仮定しUSDA等の食品成分表を用いて一人1日あたり栄養素供給量を推定した。一方、人口構成なども考慮して一人1日あたり必要栄養素量も計算し、栄養素の需給バランスを比較したところ、数種類の栄養素に関して不足がみられた。また、各栄養素の供給源を詳しく調べたところ、供給源に偏りがみられたため、アミノ酸スコア不足や微量栄養素の低い吸収率も見込まれた。これらの成果は、平成29年3月に行われた日本農業経済学会で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微量栄養素も含め、過不足を評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
同定された不足栄養素を、食事の中で補完する方法を現在研究中である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた現地調査を縮小した。
|
次年度使用額の使用計画 |
更なる分析を進めて原著論文として投稿するべく、分析や論文執筆のサポートにあたる助手を雇用する。
|