組織幹細胞の一つである筋芽細胞は骨格筋の発生に寄与するとともに筋損傷時の再生も担っている。本研究により、筋芽細胞の機能維持に必須なホルモン、インスリン様成長因子のシグナル伝達経路の仲介分子であるインスリン受容体基質が、細胞内の代謝活性に応じてアセチル化されることが明らかとなった。インスリン受容体基質のアセチル化および脱アセチル化を担う酵素が同定されたことにより、筋芽細胞の増殖期から分化移行期への過程で生じるインスリン様成長因子シグナルの調節機構および筋芽細胞の増殖・分化の決定機構の一端が明らかになった。
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