本研究では、視床下部及び骨格筋におけるインスリンシグナル伝達の調節機構を肉用鶏と卵用鶏で比較検討した。その結果、両鶏種ともに、血中インスリン濃度の生理的変化に応じて視床下部のインスリンシグナル伝達経路は調節され得ること、及びその調節機構は肉用鶏と卵用鶏で差がない可能性が示された。骨格筋においては、両鶏種ともに、骨格筋に発現するIGF-1ではなく、血中インスリンが栄養状態に基づいてインスリンシグナル伝達経路の活性を調節する役割を果たしている可能性が示されたが、インスリンシグナル伝達因子の発現量は卵用鶏に比べて肉用鶏において高いことが示された。
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