本研究の目的は、国内の鳥類および蚊から検出されるトリマラリア原虫のうち、国内で流行している原虫系統を明らかにすることである。トリマラリアは、蚊が媒介する鳥類の感染症で、日本の留鳥および渡り鳥から50系統以上が報告されているが、どの系統が日本の蚊によって伝播されているかは不明であり、在来系統と外来系統の区別ができていない。 本研究では、国内の蚊および鳥類から検出された11系統のうち3系統は在来系統であることが明らかになった。また、渡り鳥から検出され、日本産蚊の媒介能については不明である4系統は海外で感染した鳥類の移動に伴い、一時的に日本産蚊に取り込まれている可能性が示された。
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