本研究は尿中に排泄されるexosomeに含まれるRNAに着目し腎障害マーカーを探索しようとするものである。尿中exosome RNAsの抽出方法についての検討を行ったところ段階遠心法と遠心カラムを組み合わせた方法が適することが示唆された。ネフローゼ症候群モデルラットにおいて腎機能が最も低下していた投与後5日目の尿中exosome RNAサンプルを用いてmiRNA PCRアレイを行った。その結果155種類のmiRNAが同定され、この結果をパスウェイ解析したところ炎症反応ネットワークが描出された。以上の結果から、ネフローゼ症候群において炎症に関連するmiRNAがマーカー候補となる可能性が示された。
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