| 研究課題/領域番号 |
15K18785
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| 研究機関 | 宮崎大学 |
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研究代表者 |
上村 涼子 宮崎大学, 農学部, 助教 (90529190)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | Mycoplasma bovis / 牛 / 肺炎 / サイトカイン / リンパ球 / 画像診断 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では、1) Mycoplasma bovis肺炎牛の肺を画像診断学的、微生物学的、免疫学的および病理学的に解析し、病態プロファイルを作出すること、2) 「易感染宿主マーカー」「肺炎発症牛の病態診断マーカー」の探索を目的に試験を行った。
1)について、宮崎大学に搬入された肺炎牛のうち、肺からM. bovisの分離された牛（n=6）について、病態ステージの異なる肺の部位（膿瘍部、肝変部、肉眼的にほぼ正常な部位）毎にサイトカイン量を定量した結果、肝変部が他の2部位に比較して、 TNF-α、IL-1β、IL-22およびIL-8量が有意に高く、IL-10、IL-16、IL-17、TGF-β、IL-2およびIL-4が有意に低いことを確認した。同時に、B細胞、マクロファージおよび好中球数が、肝変部で増加していることも確認した（第158回日本獣医学会. 2015.9.7-9. 十和田市）。また、M. bovis分離株が牛免疫細胞に与える影響をin vitroで試験したところ、リンパ球への直接感作およびリンパ球のマイトージェン感作に対する間接的な作用が分離株毎に異なることを明らかにし、肺病変の形成に関して、分離株の性状試験の重要性も示した（平成27年度日本産業動物獣医学会九州地区学会. 2015.10.16. 熊本市）。さらに、画像診断として、当初予定していたX線撮影およびエコーに加え、CT撮影を実施し、より鮮明な画像を得ることができたため、これを基準として、臨床現場で応用可能なエコー診断基準を設けていく道筋を立てることができた。2)について、本年度予定していた農場の定期訪問調査が研究代表者の産休のために実施できなかったため、平成28年度の秋-冬季に実施する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学内に搬入された肺炎牛については、CT撮影、病理解剖、細菌検査、ウイルス検査、免疫学的試験を行うことができ、肺の病変形成に関わる因子の探索に必要な情報を得るための技術的な基盤を固めることができた。
Mycoplasma bovisが牛の免疫細胞に与える影響の1つとして、リンパ球幼若化への作用について、平成27年度日本産業動物獣医学会九州地区学会 (2015.10.16. 熊本市) にて、肺の病変ステージの違いによるサイトカインの定量について、第158回日本獣医学会 (2015.9.7-9. 十和田市)において発表している。
一方で、平成27年度は、和牛子牛価格の高騰が影響したためか、廃用認定される子牛が少なく、したがって宮崎大学に搬入され、解剖に供される子牛数が激減し、当初予定していた数に満たなかった。併せて、研究代表者が平成27年6月～9月末まで産休を取得し、復帰後も十分な研究時間を確保することができなかったため、牛飼養農場への定期訪問調査ができなかった。
以上より、当初計画よりも進捗スピードはやや遅れているが、引き続き計画に従って実施していく予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成27年に産休を取得したため、試験の進捗がやや遅れているが、今年の秋から昨年度実施予定であった農場の定期訪問調査を中心に試験を行っていく。
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