牛のMycoplasma bovis感染症は、日和見感染とされるが、近年、その発生数が著しく増加し、高く注目されている。本菌の病原性は十分明らかにされておらず、効果的な治療・予防法がない。本研究では、M. bovis肺炎の病態進行について、肺胞マクロファージの産生するIL1β、TNFα、IL8により好中球が誘導され、その後B細胞が誘導され病変を形成することを明らかにした。また、T細胞について、感染初期に一過性に機能亢進するものもあるが、慢性肺炎では機能が著しく減退していることを示した。また、免疫応答には個体差があること、また免疫刺激性にはM. bovisの株間に違いがあることも示唆された。
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