犬と猫でオピオイドの鎮痛作用に種差が生じる機構を解明するために、侵害刺激により活性化する脳の領域を調べ、さらにオピオイドの影響を比較した。犬と猫で侵害刺激により体性感覚野、頭頂連合野、帯状皮質、小脳領域が活性化した。さらに犬では扁桃体、視床、中脳、猫では海馬領域が活性化した。オピオイドにより犬と猫で侵害刺激による体性感覚野の活性化が抑制された。さらに犬では扁桃体、猫では帯状皮質、海馬、視床、中脳、小脳の活性化が抑制された。オピオイドは犬と猫で痛みの認識に対する抑制作用は同程度であることが示唆されたが、痛みに対する自律神経反応に対する抑制作用に種差が生じる機構は明らかとならなかった。
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